デリヘル開業に必要なものリスト|事務所・待機所・電話からホテル対応まで

デリヘル開業に必要なものリスト
事務所・待機所・電話からホテル対応まで
デリヘル開業に必要なものリスト
信原勇太
監修・執筆:信原 勇太(行政書士)

大阪府行政書士会所属 登録番号26261289号

ヒューマンアップ行政書士事務所 代表。無店舗型性風俗特殊営業(デリヘル)の届出代行を全国対応で提供。「全国デリヘル届出センター」として専門特化したサービスを展開中。

「デリヘルを開業したいけど、何を揃えればいいのか全体像がつかめない」――開業準備で最初につまずくのがここです。

デリヘル(無店舗型性風俗特殊営業)は店舗を持たない分、他の業種に比べて必要なものは少なめです。とはいえ、届出に必要なもの・営業に必要なもの・運営体制として必要なものは意外と多岐にわたります。

この記事では、開業前に揃えるべきものを「①届出に必要なもの」「②営業に必要なもの」「③運営体制」の3層に整理して、チェックリスト形式で解説します。

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1. 全体像:必要なものは3層に分けて考える

デリヘル開業に必要なものの3層構造:①届出に必要なもの②営業に必要なもの③運営体制
内容 揃えるタイミング
①届出に必要なもの 事務所・待機所・届出書類・手数料 届出前(最優先)
②営業に必要なもの 電話・ホームページ・屋号・広告媒体・車 届出前〜営業開始まで
③運営体制 従業員名簿・年齢確認体制・料金表・銀行口座 営業開始まで

ポイントは、②の一部(電話番号・屋号・ホームページURL)は届出書に記載する項目だということです。「届出が終わってから考えよう」では手戻りになります。順番に見ていきましょう。

2. ①届出に必要なもの

事務所(営業の本拠)

デリヘル開業の事務所イメージ

デリヘルの届出には、営業の本拠となる事務所が必要です。届出先は「事務所の所在地を管轄する警察署(生活安全課)」なので、事務所の場所が決まらないと届出先すら確定しません。

物件を借りる場合の注意点は次の2つです。

  • 賃貸借契約書の写しに加えて、所有者(家主・管理会社)の使用承諾書が必要
  • 用途を伏せて契約すると、承諾書の取得段階で必ず行き詰まります。物件探しの段階から「無店舗型性風俗特殊営業の事務所として使う」ことを正直に伝えて、承諾を得られる物件を探すのが結果的に最短ルートです

風俗営業に使える物件は多くありません。ここが開業準備の中でいちばん時間がかかるポイントなので、最初に動き始めてください。

💬

待機所となる物件探しでお悩みの場合は、不動産会社のご紹介など、可能な範囲でサポートいたします。

待機所

キャストが出勤して派遣依頼を待つ場所が待機所です。事務所と同じ物件内に設けることも、別の物件を借りることもできます。

待機所を設ける場合、届出時に以下の書類が追加されます。

  • 待機所の平面図
  • 待機所の使用権原疎明書類(自己所有なら登記事項証明書、賃貸なら賃貸借契約書の写し+使用承諾書)

なお、待機所を設けても届出手数料の加算はありません

事務所・待機所・派遣先の関係図:届出先は事務所の所在地を管轄する警察署

受付所は基本的に想定しなくてOK

届出の案内でよく目にする「受付所」(客が直接訪れて受付する拠点)ですが、現在の新規開業では設置しないのが標準です。

  • 2016年の風営法改正で受付所への規制が導入され、各都道府県の条例で禁止区域・禁止地域が定められています
  • 県内全域で受付所が禁止されている県もあります(宮城県など)
  • 全面禁止でない都道府県でも、設置できる場所は商業地域のごく一部に限られ、新規設置は極めて困難です。今ある受付所の多くは規制前からの既得権で営業しているものです

現在の新規開業は電話・ネット受付が標準であり、受付所を前提に物件を探す必要はありません(設置する場合は手数料8,500円/か所の加算と追加書類が必要になりますが、本記事では割愛します)。

届出書類一式

届出書(様式第25号)・営業の方法(様式第28号)に加えて、住民票(本籍記載)・身分証明書・使用権原疎明書類・平面図などが必要です。

届出手数料

  • 無店舗型性風俗特殊営業:3,400円(都道府県の証紙等で納付)
  • ※受付所を設ける場合は1か所につき8,500円加算されますが、上記のとおり新規開業では通常発生しません

3. ②営業に必要なもの|届出書に書く項目もここにある

電話番号

デリヘル受付用電話対応のイメージ

デリヘルは電話(またはネット)で依頼を受けて派遣する業態なので、受付用の電話番号は営業の生命線です。

そして重要なのが、届出書(様式第25号)には「客の依頼を受ける方法」と「客の依頼を受けるための電話番号その他の連絡先」を記載する欄があることです。つまり、電話番号は届出前に確保しておく必要があります。

実務上の選択肢は次のとおりです。

種類 特徴
固定電話 広告媒体によっては固定電話番号が求められることがある。信頼感も高い
050番号(IP電話) 導入が早く安価。媒体・地域によって可否が分かれる
携帯電話 開業当初の受付には使えるが、媒体掲載要件に注意

掲載を予定している広告媒体の掲載条件を先に確認してから、電話番号の種類を決めるのが失敗しない順番です。

ホームページURL

デリヘル届出用ホームページ制作のイメージ

見落とされがちですが、届出書にはホームページのURLも記載が必要です。届出書(様式第25号)の「客の依頼を受けるための電話番号その他の連絡先」には、ネットで依頼を受ける場合のURLが含まれるためです。つまり、ホームページは届出前に用意しておく必要があります

ここで押さえておきたいのは、届出用のホームページは簡単なもので十分だということです。集客は基本的にポータルサイト経由になるため、開業初期に本格的なホームページは必要ありません。料金表・利用方法が載ったシンプルなサイトがあれば足ります。

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届出用のホームページ作成は当センターでも承っております。「届出とセットでHPも」という方はLINEでお気軽にご相談ください。

屋号(呼称)

届出書には「広告又は宣伝をする場合に使用する呼称」の記載欄があります。ここに書いた屋号でしか広告・宣伝はできません。届出後に「やっぱり店名を変えたい」となると変更届が必要になるので、屋号は届出前に確定させてください。

広告掲載媒体

無店舗型の集客はウェブが中心です。開業までに掲載予定のポータルサイト・広告媒体の選定と掲載申込の準備を進めます。

なお、届出前の広告・宣伝は風営法第31条の2の2で禁止されています。ホームページやポータル掲載ページの制作を進めること自体は問題ありませんが、公開して宣伝を始めるのは届出後にしてください。

派遣先ホテルの把握

営業エリア内のラブホテル・ビジネスホテルのうち、デリヘルの利用が可能なホテルをリストアップしておきます。ホテルによっては入館を断られるケースもあるため、事前把握はスタッフを守るためにも必須です。

送迎用の車

デリヘル送迎用の車のイメージ

法律上の必須要件ではありませんが、スタッフの送迎に車は実務上ほぼ必須です。深夜帯の移動手段の確保はスタッフの定着にも直結します。開業当初はレンタカーやカーリースで初期費用を抑える方法もあります。

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4. ③運営体制として必要なもの

従業員名簿と年齢確認体制

  • 従業員名簿の備付けは風営法第36条で義務付けられています
  • 18歳未満を客に接する業務に従事させることは禁止されており、採用時の年齢確認(風営法第36条の2)は本人確認書類で厳格に行う必要があります

「本人が18歳以上と言ったから」では通りません。運転免許証・マイナンバーカード等の公的書類での確認体制を採用フローに組み込んでください。

料金表・営業の方法の整備

届出書類の「営業の方法(様式第28号)」には、サービス内容・料金・営業時間などを記載します。実際の営業内容と届出内容がズレていると変更届の対象になるため、料金体系は届出前に固めておくのが正解です。

銀行口座

率直に言うと、風俗業の事業用口座の開設は簡単ではありません。業種を理由に断られるケースは実際にあります。屋号付き口座にこだわらず、開業当初は個人口座での運用も現実的な選択肢です。このあたりは開業前に金融機関の対応を確認しておくと、後で慌てずに済みます。

5. 開業前チェックリスト

項目
事務所
待機所
届出書類一式
届出手数料3,400円
電話番号
ホームページ
屋号
広告媒体
派遣先ホテルのリスト
送迎用の車
従業員名簿・年齢確認
料金表
銀行口座

6. よくある質問(FAQ)

Q. 送迎用の車は届出に必要ですか?
いいえ、車は届出の要件ではありません。届出書に車両を記載する欄もありません。ただし実務上、スタッフの送迎手段としてほぼ必須です。
Q. 待機所は事務所と同じ物件でもいいですか?
はい、可能です。事務所内に待機スペースを設ける形でも問題ありません。その場合も平面図には待機所として使う部分を明示します。別物件で借りる場合は、待機所についても使用権原疎明書類が必要です。
Q. ホームページがなくても届出できますか?
電話受付のみで営業する形なら理論上は可能ですが、実務上はほぼすべての店舗がウェブを使うため、届出書にURLを記載するのが標準です。後からホームページを追加すると変更届が必要になるので、簡単なものでも届出前に用意しておくことをお勧めします。
Q. 受付所を設けて開業できますか?
都道府県によります。条例で県内全域禁止とされている県があるほか、禁止されていない都道府県でも設置可能な場所は商業地域のごく一部に限られ、新規設置のハードルは非常に高いのが実情です。現在の新規開業は電話・ネット受付のみで行うのが一般的です。
Q. ホテルとの提携は届出前に必要ですか?
いいえ、届出の要件ではありません。ただし営業開始後すぐに稼働できるよう、利用可能なホテルの把握は届出と並行して進めておくことをお勧めします。
Q. 電話番号は届出後に変更できますか?
変更自体は可能ですが、届出書の記載事項なので変更届の提出が必要になります。手間を考えると、届出前に本番用の番号を確保しておくのが賢明です。

7. まとめ

この記事で解説した内容を振り返ります。

  • 必要なものは「①届出に必要なもの」「②営業に必要なもの」「③運営体制」の3層で整理すると漏れがない
  • 事務所・待機所の物件確保が最大の難関。用途を正直に伝えて承諾書を取れる物件を最初に探す
  • 電話番号・屋号・ホームページURLは届出書の記載事項。届出前に確定が必要
  • 届出前の広告・宣伝は禁止。ホームページの公開は届出後に
  • 従業員名簿・年齢確認体制は営業開始日から必要
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信原勇太
監修・執筆:信原 勇太(行政書士)

大阪府行政書士会所属 登録番号26261289号

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※ 本記事の内容は最新の法令に基づいて作成していますが、法令は改正される場合があります。最新情報は管轄の警察署または行政書士にご確認ください。