ヒューマンアップ行政書士事務所
許認可コラムコンカフェは風営法の対象?
チェキ撮影・指名制度・年少キャスト。「接待」にあたるかどうかの線引きを、行政書士が運用パターン別に解説します。
「うちはあくまでコンセプトカフェで、風俗営業ではない」——そう考えている経営者は少なくありません。ですがコンカフェに許可が必要かどうかは、業態名ではなく接客の中身で決まります。
- チェキ撮影そのものは、直ちに「接待」にはあたりません。注文に付随する短時間の撮影であれば、飲食店営業許可の範囲内と評価される余地があります。
- 危ないのは「指名制度・延長料金・同席」です。特定の客とキャストを継続的に結び付ける仕組みを入れた時点で、風俗営業1号許可が必要な「接待」に近づきます。
- 年齢確認は、接待の有無と無関係に義務がかかります。18歳未満に接待をさせること・深夜に接客業務をさせることは、風営法第22条第1項で明確に禁止されています。
コンカフェ(コンセプトカフェ)は飲食店として営業していても、接客の内容によっては風営法上の「接待」にあたり、風俗営業1号許可が必要になることがあります。なかには、見た目はコンカフェのままで、実際の営業は高額なボトル・シャンパンコールや同伴・アフターなど、キャバクラやラウンジとほぼ同じ形態になっている店舗もあります。
特に判断が分かれやすいのが、看板と実態のズレ、チェキ撮影や推し活的な接客、そして年少キャストの起用です。この記事では、行政書士の立場からこの3点を中心に解説します。
この記事の目次
1コンカフェも「接待」をすれば風俗営業1号許可が必要
コンカフェは、風営法上の営業区分名ではありません。必要な手続きは「コンカフェ」という業態名ではなく、実際の接客内容で決まります。営業パターンは大きく3つに分かれます。
コンカフェの3つの営業パターン
| 営業パターン | 必要な手続き | 営業時間の制限 |
|---|---|---|
| ① 接待なし・深夜提供なし チェキ撮影は注文に付随する範囲。継続的な接客はしない |
飲食店営業許可のみ | 午前0時以降の酒類提供は不可 |
| ② 接待なし・深夜0時以降も酒類提供 接客はあくまで注文・配膳の範囲 |
飲食店営業許可 +深夜酒類提供飲食店営業の届出 |
深夜も営業可。ただしこの届出のままでは接待はできない |
| ③ 特定の客をもてなす接待をする 指名制度・延長料金・同席などがある |
飲食店営業許可 +風俗営業1号許可 |
原則として午前0時以降は営業不可(都道府県の条例による) |
※ 風俗営業1号許可と深夜酒類提供飲食店営業の届出は、両方を同時に使うことはできません。
「接待」とは
風営法は接待を「歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなすこと」(風営法第2条第3項)と定義しています。特定の客に対して、注文・配膳という通常の飲食サービスを超えて、継続的にもてなす行為が接待にあたり得ます。
カウンター越しの会話やカラオケ、身体接触などの行為別の判断基準は、以下の記事で詳しく解説しています。
看板は「コンカフェ」でも、実態はキャバクラ・ラウンジという店もある
メイドカフェ・アニメ系・コスプレ系といった「コンカフェ」の見た目を保ちながら、実際の営業は高額なボトル・シャンパンコール、同伴、アフターなど、キャバクラやラウンジとほぼ同じ形態になっている店舗があります。
風俗営業に該当するかどうかは、店の見た目やコンセプトではなく、接待の実態があるかどうかで判断されます。コンセプトカフェという業態名を掲げていても、営業実態がキャバクラ・ラウンジに近いのであれば、判断基準も同じです。
2チェキ撮影・推し活接客は「接待」にあたるのか
コンカフェで特に判断が分かれるのが、チェキ撮影や「推し活」を前提にした接客スタイルです。
チェキ撮影そのものは直ちに接待ではない
短時間、注文の一環として写真撮影に応じる程度であれば、それだけで直ちに接待にあたるとは限りません。飲食物の提供に付随するサービスの範囲内と評価される余地があります。
継続性・特定性が加わると接待にあたり得る
一方で、次のような運用は接待にあたる可能性が高くなります。
- 特定のキャストを指名し、繰り返し会話・撮影の相手をさせる(指名料・延長料金を設定している場合を含む)
- 撮影の前後に、キャストが客の近くに留まって継続的に会話をする
- 客とキャストが身体を密着させてポーズを取る、手を握るなどの接触を伴う撮影を継続的に行う
- SNSでのやり取りやリピート来店の約束など、来店ごとに同じキャストとの関係を継続させることを店側が仕組みとして提供する
「チェキだから接待ではない」という説明は成り立ちません。判断されるのは撮影という行為の形式ではなく、特定の客をどれだけ継続的・個別的にもてなしているかという実態です。
判断に迷う運用の例
指名制度、ドリンクバック、延長料金など、キャバクラ・ガールズバーで使われる仕組みをコンカフェに導入する店舗が増えています。こうした仕組みは、接客を「特定の客への継続的なもてなし」に近づけるため、接待の判断において不利に働きやすい点に注意が必要です。
指名制度・ドリンクバック・チェキ会の運用について、接待にあたるかどうかを整理します。店名を伏せたご相談でも構いません。
相談無料/匿名でのご相談OK/原則24時間以内にご返信/無理な営業はいたしません3【運用別】コンカフェの接待該当性 早見表
コンカフェで実際に導入されている仕組みを、接待に該当しやすいかどうかで整理しました。判断の根拠は、風営法第2条第3項と、警察庁の解釈運用基準(客と一緒に遊技を行う行為・客の身体に接触する行為などを接待として例示)です。
| コンカフェの運用・仕組み | 単体での評価 | 接待に近づく条件 |
|---|---|---|
| 注文に付随する短時間のチェキ撮影 | 低 | 撮影の前後に同席して会話が続く/回数券・指名で特定客と繰り返す |
| コスプレ・世界観の演出、内装のこだわり | 低 | 演出だけでは接待にならない。判断されるのは接客の中身 |
| カウンター越しの短い世間話・挨拶 | 低 | 特定の客の前に留まり、会話サービスが常態化していないか |
| キャストのSNSアカウントでの個別のやり取り | 低 (営業所外の行為) | 店の仕組みとして来店ごとの関係を継続させている事情として評価され得る |
| 指名制度・指名料 | 中 | それ自体は接待ではないが、特定客とキャストを継続的に結び付ける仕組みとして不利に働く |
| ドリンクバック(客がキャストに一杯おごる) | 中 | キャストが客の席に留まって一緒に飲む運用とセットなら接待にあたり得る |
| 延長料金・時間制の課金 | 中 | 「特定の客と過ごす時間を売る」構造は、接待の評価を強める方向に働く |
| 誕生日イベント・シャンパンコール | 中 | キャストが特定客の席に集まり、継続的に盛り上げる運用は接待にあたり得る |
| 同伴・アフター | 中 (営業所外の行為) | 営業所内の接客実態を推認させる事情として見られる |
| キャストが客の隣・正面に座って継続的に談笑する | 高 | 特定の客に対して継続的であれば、時間の長短にかかわらず接待にあたり得る |
| 客と一緒にゲーム・トランプ等を行う | 高 | 解釈運用基準で接待として例示されている行為 |
| 手を握る・肩を組むなど接触を伴う撮影 | 高 | 客の身体に接触する行為は接待にあたる |
「低/中/高」は接待に該当しやすさの目安です。実際には複数の要素を組み合わせた営業実態全体で判断されるため、最終的な判断は所轄警察署の生活安全課にご確認ください。
- 特定のキャストを、客が指名できる仕組みがある
- キャストがカウンターの内側から出て、客の隣や正面に座ることがある
- 延長料金・時間制の課金がある
- キャストが客と一緒にゲームをしたり、乾杯して一緒に飲むことがある
- 撮影の際に、客とキャストが身体を接触させることがある
4年少キャストを雇う場合の法的リスク
コンカフェは若いスタッフが活躍するイメージで語られることが多い業態ですが、年齢確認を怠ると、接待の該当性にかかわらず、それ自体が風営法違反になります。
風俗営業者に禁止されている行為(風営法第22条第1項)
接待をする風俗営業(1号許可)を営む者は、次の行為が明確に禁止されています。
| 号 | 禁止されている行為 | 実務上のポイント |
|---|---|---|
| 第22条第1項3号 | 18歳未満に客の接待をさせること | 接待の該当性を問わず、年齢だけで明確に禁止されている |
| 第22条第1項4号 | 深夜(午後10時〜翌午前6時)に18歳未満を客に接する業務に従事させること | シフトの時間帯管理が必要 |
| 第22条第1項5号 | 18歳未満を客として営業所に立ち入らせること | 従業員だけでなく、客側の年齢管理も必要 |
| 第22条第1項6号 | 営業所で20歳未満に酒類・たばこを提供すること | 従業員・客のいずれも対象 |
実際に摘発された事例
2023年8月には、大阪ミナミのコンカフェで店長を含む3人が風営法違反の疑いで逮捕されたと報じられました。報道によれば、大阪府公安委員会の許可を受けずに営業し、未成年の従業員に酒類を提供させたこと、深夜に18歳未満の従業員を接客業務に従事させたことが容疑の内容とされています。無許可営業と年少者に関する規制は、こうした形で同時に問題化することが少なくありません。
採用時の年齢確認を徹底する
キャストの採用時には、公的身分証で生年月日を確認し、記録を残すことが実務上のリスク管理になります。SNSでの応募・面接だけで済ませず、対面または身分証の画像確認を組み合わせるなど、確認の仕組み自体を整えることが重要です。
年少者の雇用に関するご相談は、開業後にトラブルが表面化してから受けることが多いのが実情です。悪意を持って若年者を雇っているケースばかりではなく、SNS経由の応募で年齢確認が形だけになっていた、というケースも見てきました。募集・面接・雇用契約の各段階で、どこで身分証を確認するかをあらかじめ決めておくと、こうした見落としを防げます。
5許可を取るための3つの要件
接待をする(風俗営業1号許可が必要な)コンカフェは、次の3要件をすべて満たす必要があります(風営法第4条)。
- 人的要件:申請者・法人役員が欠格事由に該当しないこと
- 場所的要件:都道府県の条例で定める営業可能地域内であること、保全対象施設(学校・病院など)から一定距離離れていること
- 構造設備要件:客室の床面積、見通しを妨げる設備の有無、照度などが基準を満たすこと
コンカフェの場合、個室風のブース、ステージ、暗めの照明演出など、世界観をつくる内装が構造設備要件に抵触しやすい点に注意が必要です。内装工事に着手する前に、図面段階で確認しておくと手戻りを防げます。
6開業までの流れとスケジュール
- 接客スタイル(チェキ・指名制度の有無)を含めた営業モデルを決める
- 接待の有無に応じて、必要な許可・届出を整理する
- 候補物件を法令調査する(用途地域・保全対象施設との距離)
- 契約条件と内装計画を確認する
- 飲食店営業許可等を進める
- (接待をする場合)風俗営業1号許可を申請する
- 実査を経て許可・営業開始
標準処理期間の目安は約55日とされていますが、都道府県により異なります。物件契約から逆算すると、契約前の法令調査を含めて3か月程度を見ておくと安全です。
接客スタイル・候補物件の住所・希望開店日をお送りいただければ、必要な許可と現実的なスケジュールをお返しします。
相談無料/匿名でのご相談OK/原則24時間以内にご返信/無理な営業はいたしません7費用の目安
接待をするコンカフェ(風俗営業1号許可)を開業する場合にかかる、手続き関係の費用の目安です。
| 項目 | 金額の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 行政書士報酬(風俗営業1号許可) | 198,000円〜 | 図面作成・現地調査・警察署協議・実査立会いを含む。契約前の見積り時点で確定額をご案内します |
| 風俗営業許可の申請手数料 | 24,000円 | 都道府県の証紙等で納付 |
| 飲食店営業許可(保健所) | 16,000〜19,000円程度 | 自治体により異なります |
| 深夜酒類提供飲食店営業の届出 | ― | 接待をしない場合の選択肢。1号許可とは併用できません |
上記のほか、内装工事費・物件取得費などの開業資金が別途必要です。金額は2026年8月時点のものです。
接待をしない飲食店営業のみ、または深夜届出型であれば、風俗営業1号許可の報酬・手数料は発生しません。どのパターンで開業するかによって費用が大きく変わるため、営業モデルを決める段階でご相談いただくのが結果的に一番安く済みます。
8開業後に注意すること
無許可営業の罰則
許可を受けずに風俗営業を営んだ場合、風営法第49条第1号により5年以下の拘禁刑もしくは1,000万円以下の罰金(またはその両方)が科されます。法人が営業主である場合は、法人に対して3億円以下の罰金が科され得ます(2025年6月28日施行の改正で引き上げ)。
開業後に接客スタイルが変わった場合
チェキの撮り方、指名制度の有無、キャストの接客方針は、開業後に変わることがあります。とくにコンカフェは、売上を伸ばそうとして「指名制度を入れる」「延長料金を設定する」といった変更が起きやすい業態です。営業実態が接待に近づいた場合は、その時点で許可の要否を確認してください。
構造・名義を変更したとき
許可取得後に、客室のレイアウトを変更したり、照明・間仕切りを追加したりする場合は、変更の内容に応じて変更承認申請または変更届出が必要です。また、他人に名義を貸して営業させることは風営法で禁止されています。
9よくある質問
Q. チェキ撮影があるだけで風俗営業許可は必要ですか
Q. 指名制度・ドリンクバックを導入すると接待になりますか
Q. コンカフェで深夜0時以降も営業できますか
Q. 18歳未満のキャストを採用できますか
Q. 年齢確認はどこまでやればよいですか
Q. 許可が必要かどうか迷った場合、どうすればよいですか
Q. 全国のコンカフェ開業に対応できますか
10まとめ
- コンカフェも「接待」をすれば風俗営業1号許可が必要。業態名では決まらない
- 看板がコンカフェでも、営業実態がキャバクラ・ラウンジに近ければ判断基準は同じ
- チェキ撮影は形式ではなく、継続性・特定性で接待該当性が判断される
- 指名制度・延長料金・同席は、接待の評価を強める方向に働く
- 18歳未満に接待をさせること、深夜帯に接客業務をさせることは風営法第22条第1項で明確に禁止されている
- 20歳未満への酒類・たばこ提供も同項で禁止
ヒューマンアップ行政書士事務所では、コンカフェの営業モデルの整理、接客スタイルの相談、年少者雇用のリスク確認、必要な許可・届出、開業までのスケジュールを全国対応でご案内しています。
接客スタイル・候補物件の住所・希望開店日をお知らせください。どの営業パターンで開業するのが現実的か、費用とスケジュールを添えてお返しします。
相談無料/匿名でのご相談OK/原則24時間以内にご返信/無理な営業はいたしません出典:風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律|e-Gov法令検索(令和7年11月28日施行版。第2条・第4条・第22条第1項・第49条を確認)/接待の具体例は警察庁「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律等の解釈運用基準」による/大阪ミナミのコンカフェ摘発事例は2023年8月配信の報道を参照
※ 本記事の内容は最新の法令に基づいて作成していますが、法令は改正される場合があります。また、接待該当性の最終的な判断は所轄警察署によります。最新情報は管轄の警察署または行政書士にご確認ください。


ご相談では「チェキ会は接客の一部で、キャバクラのような接待とは違う」という説明を受けることがよくあります。ただ実際に運用内容を伺うと、指名制度や延長料金が設定されていて、特定のお客様と継続的に関わる仕組みができあがっているケースが少なくありません。仕組み自体を決める前の段階でご相談いただくと、接待にあたらない設計にできる余地が大きくなります。