取得先・注意点を行政書士が解説
「必要書類が多くてどれを揃えればいいかわからない」「住民票と身分証明書って何が違うの?」――デリヘル(無店舗型性風俗特殊営業)の届出でつまずきやすいのが書類の準備です。この記事では、必要書類の全リストと、それぞれの取得方法を行政書士が丁寧に解説します。
書類に一つでも不備があると警察署の窓口で差し戻され、再提出から再び10日間の待機期間がリスタートします。開業予定日から逆算して、早めに動くことが大切です。
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1. 必要書類の全リスト(早見表)
まず全体像を把握しましょう。個人事業主としてデリヘルを開業する場合に必要な書類は以下のとおりです。
| 書類 | 取得先 | 費用目安 |
|---|---|---|
| ① 営業開始届出書(様式第25号) | 各都道府県警HPからDL | 無料 |
| ② 営業の方法を記載した書類(様式第28号) | 各都道府県警HPからDL | 無料 |
| ③ 住民票の写し(本籍地記載) | 市区町村役所 | 300円前後 |
| ④ 身分証明書(市区町村長発行) | 本籍地の市区町村役所 | 300円前後 |
| ⑤ 使用権原疎明書類(自宅を事務所とする場合) | 法務局または家主・管理会社 | 600円〜(登記証明) |
| ⑥ 平面図・周囲の略図 | 自作 | 無料 |
| 届出手数料(窓口納付) | 管轄警察署 | 3,400円 |
受付所・待機所を設ける場合や法人での開業の場合は、上記に加えて追加書類が必要になります(第6節・第7節を参照)。
📎 届出の全体的な流れや届出先については「デリヘル開業届出 完全ガイド」をあわせてご覧ください。
2. 届出様式(届出書・営業の方法)の書き方と入手先
様式第25号:営業開始届出書
届出の中核となる書類です。「その1」と「その2」に分かれており、以下の内容を記載します。
- 営業者の氏名・住所・生年月日
- 営業の本拠となる事務所(または住所)の所在地
- 営業の呼称(屋号)
- 受付所・待機所を設ける場合はその所在地
届出書に記載した呼称がそのまま「公式の営業名」になります。広告や宣伝で使用できる名称もここに記載したものに限られるため、開業前にしっかり決めておきましょう。後から変更する場合は変更届出書(様式第27号)が必要です。
様式第28号:営業の方法を記載した書類
「その1」と「その2」で構成され、提供するサービスの内容、料金体系、営業時間・エリアなどを具体的に記載します。この書類は初めての方が最も書き方に迷う書類です。
様式第25号・第28号はいずれも各都道府県警察のウェブサイトからダウンロードできます。「○○県警 無店舗型性風俗特殊営業 届出書」などで検索してください。都道府県によって書式の細部が異なる場合があるため、必ず届出先となる都道府県警のものを使用してください。
3. 添付書類①:住民票の写し
どんな書類か
住民登録をしている市区町村が発行する公的証明書です。デリヘルの届出では、通常の住民票とは異なり「本籍地」の記載が必須です。
取得方法
- 窓口取得(最速)
現住所の市区町村役所(住民課・市民課)の窓口に本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカード等)を持参して申請します。当日発行が原則で、費用は300円前後です。 - マイナンバーカードを使ったコンビニ取得
マイナンバーカードを持っている場合、全国のコンビニ(セブン-イレブン・ローソン・ファミリーマート等)のマルチコピー機で取得できます。費用は窓口より安い自治体もあります(200〜300円程度)。ただし本籍地記載の設定で取得する必要があります。 - 郵便請求
本人が役所に行けない場合は郵送でも取得可能です。各市区町村のウェブサイトで手順を確認してください。到着まで1〜2週間かかる場合があります。
① 「本籍地」を記載する:窓口やコンビニで取得する際、必ず「本籍地あり」を選択してください。本籍地が記載されていない住民票は受理されません。
② マイナンバーの記載は不要:マイナンバーの記載は不要です(記載なしを選択してください)。
③ 発行から3ヶ月以内のもの:有効期限に注意してください。
4. 添付書類②:身分証明書(市区町村長発行)
「身分証明書」は運転免許証ではない
ここでいう「身分証明書」は、本籍地の市区町村長が発行する公的証明書です。運転免許証やマイナンバーカードのことではありません。この書類は以下の3点を証明します。
- 成年被後見人・被補佐人の登記がされていないこと
- 後見の登記等がされていないこと
- 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者でないこと
つまり、風営法上の欠格事由に該当しないことを公的に証明するための書類です。
取得方法
現住所の役所ではなく、本籍地の市区町村役所でのみ発行されます。本籍地が現住所と異なる場合(たとえば今は大阪在住だが本籍地は福岡県、など)は、福岡の役所から取得する必要があります。
- 本籍地が近い場合:窓口取得
本籍地の市区町村役所の窓口で申請します。本人確認書類を持参してください。費用は300円前後、当日発行が原則です。 - 本籍地が遠い場合:郵便請求(1〜2週間)
本籍地の役所に郵便で請求します。各市区町村のウェブサイトで「身分証明書 郵便請求」の手順を確認し、必要書類(申請書・本人確認書類のコピー・定額小為替・返信用封筒)を送付してください。到着まで1〜2週間かかることが多いため、書類準備の最初に手配しましょう。
5. 添付書類③:使用権原疎明書類と平面図
使用権原疎明書類とは
事務所(または自宅)を届出先として使用する権利があることを証明する書類です。物件の状況によって必要な書類が変わります。
| 物件の状況 | 必要な書類 | 取得先 |
|---|---|---|
| 自己所有(持ち家・分譲マンション等) | 登記事項証明書(全部事項証明書) | 法務局(600円/件) |
| 賃貸(アパート・マンション・事務所等) | 賃貸借契約書の写し+使用承諾書 | 契約書は手元に、使用承諾書は家主・管理会社に依頼 |
賃貸物件を事務所として届出する場合、家主または管理会社から「風俗営業の届出先として使用することを承諾する」旨の書面をもらう必要があります。物件によっては承諾を得られないケースもあるため、契約前または準備の早い段階で家主・管理会社に確認しておくことをお勧めします。
平面図・周囲の略図
事務所(または届出住所)の間取り図と、周辺地図を手書きまたはPCで作成します。縮尺や書式に厳密なルールはありませんが、以下を盛り込むと窓口での差し戻しを防げます。
- 平面図:部屋の配置、各室の用途、出入口の位置。「営業用に供する部分」がどこかわかるように明示します。
- 周囲の略図:事務所から半径100〜200m程度の周辺地図。学校・病院・児童福祉施設等の有無が確認できるもの。Google マップの印刷でも対応してもらえる場合があります(事前に管轄警察署に確認することをお勧めします)。
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6. 受付所・待機所を設ける場合の追加書類
お客様からの電話受付専用の拠点(受付所)や、スタッフの待機場所(待機所)を事務所とは別に設ける場合は、以下の書類が追加で必要になります。
| 追加書類 | 備考 |
|---|---|
| 受付所の平面図および周囲の略図 | 事務所の平面図と同様に作成 |
| 待機所の平面図 | 周囲の略図も求められる場合あり |
| 受付所・待機所の使用権原疎明書類 | 事務所と同様(登記証明または賃貸借契約書+承諾書) |
受付所を設ける場合は、届出手数料として1か所につき8,500円が加算されます(基本の3,400円に加えて)。受付所が複数ある場合はその数だけ加算されます。
7. 法人の場合の追加書類
法人(会社)として届出する場合は、個人の書類に加えて以下が必要です。
- 定款(法人設立時に作成したもの)
- 登記事項証明書(法人用・法務局で取得)
- 役員全員の住民票の写し(本籍地記載・マイナンバー不要)
- 役員全員の身分証明書(市区町村長発行)
役員のうち一人でも風営法上の欠格事由に該当する場合、届出ができません。法人で開業する場合は、役員全員の適格性を事前に確認してください。
8. 書類不備でよくあるミス
実務上、警察署の窓口で差し戻しになるケースの多くは次のいずれかです。
- 住民票に本籍地の記載がない
最も多いミスです。窓口やコンビニで取得する際にデフォルトで本籍地が省略されることがあります。取得前に必ず「本籍地記載あり」を選択してください。 - 「身分証明書」を運転免許証で代用しようとする
「身分証明書を持参してください」という案内を見て、運転免許証を持参してしまうケースです。市区町村長が発行する証明書(別書類)が必要です。 - 身分証明書を現住所の役所で取ろうとする
身分証明書は本籍地の役所でのみ発行されます。本籍地が遠方の場合は郵便請求の時間を見込んでおく必要があります。 - 賃貸物件の使用承諾書を取り忘れる
賃貸物件を届出先とする場合、家主・管理会社の承諾書が必要なことを見落としがちです。取り付けに時間がかかる場合もあるため、早めに動いてください。 - 様式が届出先の都道府県のものではない
他の都道府県警のサイトからダウンロードした様式を使用してしまうケースです。必ず届出先の都道府県警の書式を使用してください。
📎 書類の不備で差し戻しになると、待機期間の起点も再提出日にリセットされます。「10日間の待機期間」の数え方については「届出から営業開始まで何日かかる?デリヘル届出の「待機期間」を正しく理解する」で詳しく解説しています。
9. よくある質問(FAQ)
Q. 書類の有効期限はありますか?
Q. 住民票と身分証明書を同じ役所で取れますか?
Q. 自宅が賃貸で、家主の承諾が得られない場合はどうすればいいですか?
Q. 書類をすべて揃えるのにどのくらいかかりますか?
Q. 行政書士に依頼すると書類も代わりに取ってもらえますか?
10. まとめ
デリヘル届出の必要書類をまとめると、次のとおりです。
- 届出書類:様式第25号(営業開始届出書)・様式第28号(営業の方法)
- 住民票:本籍地記載・マイナンバー不要・3ヶ月以内のもの
- 身分証明書:運転免許証ではなく、本籍地の市区町村長が発行するもの
- 使用権原疎明書類:自己所有なら登記事項証明書、賃貸なら契約書写し+使用承諾書
- 平面図・周囲の略図:自作で可
- 届出手数料:3,400円(受付所がある場合は加算)
書類の準備は、「身分証明書を本籍地の役所から取得する」「賃貸なら使用承諾書を家主に依頼する」この2点に時間がかかりやすいため、早めに動くことが肝心です。少しでも不安がある場合は、専門家への相談をお勧めします。
📎 届出先(管轄警察署)の決まり方については「デリヘル開業の届出先はどこ?管轄警察署の調べ方を解説」で詳しく解説しています。
📎 書類準備以外に必要な開業準備の全体像(事業設計・ホテル利用・広告準備など)は「デリヘル開業の流れ完全版|届出・ホテル利用・広告準備までの全体像」で詳しく解説しています。
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