コンカフェは風営法の対象?チェキ撮影・接客が「接待」にあたるケースを行政書士が解説

コンカフェは 風営法の対象? チェキ撮影・接客が「接待」にあたるケースを行政書士が解説
コンカフェは風営法の対象?
チェキ撮影・接客が「接待」にあたるケースを行政書士が解説
行政書士 信原勇太
監修・執筆:信原 勇太(行政書士)

大阪府行政書士会所属 登録番号26261289号

ヒューマンアップ行政書士事務所代表。風営法の許可・届出を専門に、全国対応でご相談を承っています。

「うちはあくまでコンセプトカフェで、風俗営業ではない」

そう考えている経営者は少なくありません。コンカフェ(コンセプトカフェ)は飲食店として営業していても、接客の内容によっては風営法上の「接待」にあたり、風俗営業1号許可が必要になることがあります。なかには、見た目はコンカフェのままで、実際の営業は高額なボトル・シャンパンコールや同伴・アフターなど、キャバクラやラウンジとほぼ同じ形態になっている店舗もあります。

特に判断が分かれやすいのが、看板と実態のズレチェキ撮影や推し活的な接客、そして年少キャストの起用です。この記事では、行政書士の立場からこの3点を中心に解説します。

1. コンカフェも「接待」をすれば風俗営業1号許可が必要

コンカフェは、風営法上の営業区分名ではありません。必要な手続きは「コンカフェ」という業態名ではなく、実際の接客内容で決まります。

3つの営業パターン

コンカフェの3つの営業パターン 業態名ではなく接客内容で決まる 1 接待なし・深夜提供もなし 必要な手続き:飲食店営業許可のみ チェキ撮影は注文に付随する範囲、 継続的な接客はしない場合 2 接待なし・深夜0時以降も提供 必要な手続き:飲食店営業許可+ 深夜酒類提供飲食店営業の届出 この届出のままでは接待はできない 3 特定の客をもてなす接待をする 必要な手続き:飲食店営業許可+ 風俗営業1号許可 原則として午前0時以降は営業不可 指名制度・延長料金があると該当しやすい 1号許可と深夜届出は併用不可 接待もしたいなら1号許可を選ぶ 「コンカフェだから接待にならない」 は成り立ちません

風俗営業1号許可(接待)と深夜酒類提供飲食店営業の届出は、両方を同時に使うことはできません。「接待もしたいし、深夜まで営業したい」という場合は、営業モデル自体を接待型に絞る必要があります。

「接待」とは

風営法は接待を「歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなすこと」(風営法第2条第3項)と定義しています。特定の客に対して、注文・配膳という通常の飲食サービスを超えて、継続的にもてなす行為が接待にあたり得ます。

カウンター越しの会話やカラオケ、身体接触などの行為別の判断基準は、以下の記事で詳しく解説しています。

看板は「コンカフェ」でも、実態はキャバクラ・ラウンジという店もある

メイドカフェ・アニメ系・コスプレ系といった「コンカフェ」の見た目を保ちながら、実際の営業は高額なボトル・シャンパンコール、同伴、アフターなど、キャバクラやラウンジとほぼ同じ形態になっている店舗があります。

風俗営業に該当するかどうかは、店の見た目やコンセプトではなく、接待の実態があるかどうかで判断されます。コンセプトカフェという業態名を掲げていても、営業実態がキャバクラ・ラウンジに近いのであれば、判断基準も同じです。

2. チェキ撮影・推し活接客は「接待」にあたるのか

コンカフェで特に判断が分かれるのが、チェキ撮影や「推し活」を前提にした接客スタイルです。

チェキ撮影そのものは直ちに接待ではない

短時間、注文の一環として写真撮影に応じる程度であれば、それだけで直ちに接待にあたるとは限りません。飲食物の提供に付随するサービスの範囲内と評価される余地があります。

継続性・特定性が加わると接待にあたり得る

一方で、次のような運用は接待にあたる可能性が高くなります。

  • 特定のキャストを指名し、繰り返し会話・撮影の相手をさせる(指名料・延長料金を設定している場合を含む)
  • 撮影の前後に、キャストが客の近くに留まって継続的に会話をする
  • 客とキャストが身体を密着させてポーズを取る、手を握るなどの接触を伴う撮影を継続的に行う
  • SNSでのやり取りやリピート来店の約束など、来店ごとに同じキャストとの関係を継続させることを店側が仕組みとして提供する

「チェキだから接待ではない」という説明は成り立ちません。判断されるのは撮影という行為の形式ではなく、特定の客をどれだけ継続的・個別的にもてなしているかという実態です。

判断に迷う運用の例

指名制度、ドリンクバック、延長料金など、キャバクラ・ガールズバーで使われる仕組みをコンカフェに導入する店舗が増えています。こうした仕組みは、接客を「特定の客への継続的なもてなし」に近づけるため、接待の判断において不利に働きやすい点に注意が必要です。

💬 行政書士のコメント
ご相談では「チェキ会は接客の一部で、キャバクラのような接待とは違う」という説明を受けることがよくあります。ただ実際に運用内容を伺うと、指名制度や延長料金が設定されていて、特定のお客様と継続的に関わる仕組みができあがっているケースが少なくありません。仕組み自体を決める前の段階でご相談いただくと、接待にあたらない設計にできる余地が大きくなります。
接客スタイル・チェキ運用の相談

指名制度・ドリンクバック・チェキ会の運用について、接待にあたるかどうかを整理します。

3. 年少キャストを雇う場合の法的リスク

コンカフェは若いスタッフが活躍するイメージで語られることが多い業態ですが、年齢確認を怠ると、接待の該当性にかかわらず、それ自体が風営法違反になります。

風俗営業者に禁止されている行為(風営法第22条第1項)

接待をする風俗営業(1号許可)を営む者は、次の行為が明確に禁止されています。

年少者に関する4つの禁止行為 風営法第22条第1項(風俗営業者) 3号 18歳未満に客の接待をさせること 接待の該当性を問わず、年齢だけで 明確に禁止されている 4号 深夜(22時〜翌6時)に18歳未満を 客に接する業務に従事させること シフトの時間帯管理が必要 5号 18歳未満を客として立ち入らせること 従業員だけでなく客側の年齢管理も必要 6号 20歳未満に酒類・たばこを提供 従業員・客のいずれも対象 接待にあたらない運用でも 年齢確認義務は別途かかります 採用時の身分証確認を仕組み化する

接待にあたらない運用(深夜届出型・飲食店営業のみ)であっても、20歳未満への酒類提供禁止(他の法令を含む)や、深夜帯の年少者就労規制(労働基準法)は別途かかります。「うちは接待をしていないから年齢は関係ない」という理解は誤りです。

実際に摘発された事例

2023年8月には、大阪ミナミのコンカフェで店長を含む3人が風営法違反の疑いで逮捕されたと報じられました。報道によれば、大阪府公安委員会の許可を受けずに営業し、未成年の従業員に酒類を提供させたこと、深夜に18歳未満の従業員を接客業務に従事させたことが容疑の内容とされています。無許可営業と年少者に関する規制は、こうした形で同時に問題化することが少なくありません。

採用時の年齢確認を徹底する

キャストの採用時には、公的身分証で生年月日を確認し、記録を残すことが実務上のリスク管理になります。SNSでの応募・面接だけで済ませず、対面または身分証の画像確認を組み合わせるなど、確認の仕組み自体を整えることが重要です。

💬 行政書士のコメント
年少者の雇用に関するご相談は、開業後にトラブルが表面化してから受けることが多いのが実情です。悪意を持って若年者を雇っているケースばかりではなく、SNS経由の応募で年齢確認が形だけになっていた、というケースも見てきました。募集・面接・雇用契約の各段階で、どこで身分証を確認するかをあらかじめ決めておくと、こうした見落としを防げます。

4. 許可を取るための3つの要件

接待をする(風俗営業1号許可が必要な)コンカフェは、次の3要件をすべて満たす必要があります(風営法第4条)。

  • 人的要件:申請者・法人役員が欠格事由に該当しないこと
  • 場所的要件:都道府県の条例で定める営業可能地域内であること、保全対象施設から一定距離離れていること
  • 構造設備要件:客室の床面積、見通しを妨げる設備の有無、照度などが基準を満たすこと

3要件・都道府県差の詳細は、以下の記事で解説しています。

5. 開業までの流れとスケジュール

  1. 接客スタイル(チェキ・指名制度の有無)を含めた営業モデルを決める
  2. 接待の有無に応じて、必要な許可・届出を整理する
  3. 候補物件を法令調査する
  4. 契約条件と内装計画を確認する
  5. 飲食店営業許可等を進める
  6. (接待をする場合)風俗営業1号許可を申請する
  7. 実査を経て許可・営業開始

標準処理期間の目安は約55日とされていますが、都道府県により異なります。

営業モデルと開業スケジュールを相談する

接客スタイル・候補物件・希望開店日をお知らせください。

6. 費用の目安

風俗営業1号許可の取得には、警察手数料等の実費に加えて、行政書士に依頼する場合は報酬が発生します。当事務所の風俗営業1号許可報酬は198,000円〜です(契約前の見積り時点で確定額をご案内します)。

接待をしない飲食店営業のみ、または深夜届出型であれば、風俗営業1号許可の報酬は発生しません。

7. 開業後に注意すること

無許可営業の罰則

許可を受けずに風俗営業を営んだ場合、風営法第49条第1号により5年以下の拘禁刑もしくは1,000万円以下の罰金(またはその両方)が科されます。法人が営業主である場合は、法人に対して3億円以下の罰金が科され得ます(2025年6月28日施行の改正で引き上げ)。

開業後に接客スタイルが変わった場合

チェキの撮り方、指名制度の有無、キャストの接客方針は、開業後に変わることがあります。営業実態が接待に近づいた場合は、その時点で許可の要否を確認してください。

8. よくある質問

Q. チェキ撮影があるだけで風俗営業許可は必要ですか
直ちに必要になるわけではありません。注文に付随する範囲の短時間の撮影であれば、接待にあたらないと評価される余地があります。ただし、特定の客への継続的な撮影・会話、指名制度などが加わると接待にあたり得ます。
Q. 指名制度・ドリンクバックを導入すると接待になりますか
直ちに接待になるとは限りませんが、特定の客への継続的なもてなしに近づくため、接待と判断されやすくなります。導入前にご相談いただくことをおすすめします。
Q. 18歳未満のキャストを採用できますか
採用自体は可能ですが、客の接待をさせること、深夜(午後10時〜翌午前6時)に客に接する業務に従事させることは風営法で禁止されています。
Q. 年齢確認はどこまでやればよいですか
公的身分証で生年月日を確認し、記録を残すことをおすすめします。SNSでの応募・面接だけで済ませず、対面または身分証の画像確認を組み合わせる仕組みを整えてください。
Q. 全国のコンカフェ開業に対応できますか
はい。現地調査、警察署協議、実査立会いは出張または各地の行政書士との連携で対応しています。

9. まとめ

  • コンカフェも「接待」をすれば風俗営業1号許可が必要。業態名では決まらない
  • 看板がコンカフェでも、営業実態がキャバクラ・ラウンジに近ければ判断基準は同じ
  • チェキ撮影は形式ではなく、継続性・特定性で接待該当性が判断される
  • 18歳未満に接待をさせること、深夜帯に接客業務をさせることは風営法第22条第1項で明確に禁止されている
  • 20歳未満への酒類・たばこ提供も同項で禁止

ヒューマンアップ行政書士事務所では、コンカフェの営業モデルの整理、接客スタイルの相談、年少者雇用のリスク確認、必要な許可・届出、開業までのスケジュールを全国対応でご案内しています。

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接客スタイル・候補物件・希望開店日をお知らせください。

出典:風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律|e-Gov法令検索(令和7年11月28日施行版。第2条・第4条・第22条第1項・第49条を確認)/大阪ミナミのコンカフェ摘発事例は2023年8月配信の報道を参照

行政書士 信原勇太
監修・執筆:信原 勇太(行政書士)

大阪府行政書士会所属 登録番号26261289号

ヒューマンアップ行政書士事務所代表。風営法(風俗営業許可・性風俗関連特殊営業の届出)を専門に、全国対応でご相談を承っています。

※ 本記事の内容は最新の法令に基づいて作成していますが、法令は改正される場合があります。最新情報は管轄の警察署または行政書士にご確認ください。