「メンズエステを始めたいけど、届出が必要なの?」「違法営業になってしまわないか不安」――そんな疑問を持つ方に向けて、行政書士が風営法上の位置づけを整理しながら解説します。
メンズエステは、提供するサービスの内容によって風営法上の扱いが大きく変わります。性的サービスを伴う場合は、原則として届出が必要になり、これを怠ると罰則の対象になります。一方で、性的サービスを伴わない一般的なリラクゼーション目的の施術であれば、風営法上の手続きは不要です。
この記事では、どのようなケースで届出が必要になるのか、必要な場合はどこにどう届出をすればよいのか、届出をしないまま営業した場合のリスクまで、開業前に知っておくべき情報を整理して解説します。
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1. メンズエステは風営法の対象になる?
「メンズエステ」「メンエス」という業態は、実態として大きく2つに分かれます。ひとつは筋肉疲労の緩和やリラクゼーションを目的とした、性的サービスを伴わない施術。もうひとつは、性的好奇心に応じてお客様に接触する役務を提供する、風営法上の規制対象となる業態です。
風営法が問題にするのは「メンズエステ」という名称そのものではなく、実際に提供しているサービスの内容です。同じ「メンズエステ」を名乗っていても、この一点で扱いがまったく異なります。まずはご自身の(またはこれから始めようとしている)サービス内容が、性的サービスに該当するかどうかを確認することが出発点になります。
2. 性的サービスがない場合|風営法の届出は不要
施術内容が純粋なリラクゼーション・整体的なものにとどまり、性的好奇心に応じた接触を伴わない場合、風営法上の届出は不要です。この場合は一般的な事業として、税務署への開業届など通常の手続きのみで営業を開始できます。
ただし、実際の営業の中でサービス内容が変化していったり、一部のスタッフだけが性的サービスを提供するようになったりするケースもあり、その場合は次項の対象になり得ます。「開業時は該当しなかったから今後もずっと大丈夫」ではなく、提供内容が変わればその都度、風営法上の該当性を見直す必要があるという点は押さえておいてください。
3. 性的サービスがある場合|「店舗型」と「出張型」で扱いが変わる
性的サービスを伴う場合、風営法上は営業形態によって「店舗型」と「出張型(無店舗型)」に区分され、それぞれ扱いが異なります。
| 区分 | 該当条文 | 手続き | 新規開業のしやすさ |
|---|---|---|---|
| 店舗型 | 風営法第2条第6項 | 届出制(第27条) | 条例の禁止区域規制により、実務上ほぼ不可能 |
| 出張型(無店舗型) | 風営法第2条第7項第1号 | 届出制(第31条の2) | 立地の制限がなく、書類が揃えば届出可能 |
※どちらも「許可制」ではなく「届出制」です。許可制なのはキャバクラ等の「風俗営業」で、性風俗関連特殊営業(店舗型・無店舗型とも)は届出制という違いがあります。
3-1. 店舗型の場合
個室を設け、その個室で性的サービスを提供する形態は「店舗型性風俗特殊営業」に該当します(風営法第2条第6項)。
店舗型性風俗特殊営業は風営法第28条第2項に基づき、各都道府県の条例で学校・保育所等の周辺や住居集合地域など、営業を禁止する地域が細かく定められています。都市部を中心に、この禁止区域の網が非常に広くかかっているため、実務上は新たに条件を満たす物件を見つけて店舗型で新規開業すること自体が極めて難しいのが実情です。
マンションの一室で個室型のサービスを提供する、いわゆる「マンション型」は、実態として店舗型性風俗特殊営業に当たります。届出をしていなければ無届営業として摘発の対象になります。しかも立地の性質上、今から店舗型として適法に届出をしようとしても、禁止区域規制に阻まれてしまうケースがほとんどです。現実的な選択肢は、出張型への切り替えです。当センターでは切り替えのご相談も承っております。
3-2. 出張型の場合(本命)
スタッフをお客様の自宅やホテルへ派遣する「出張型」でサービスを提供する場合は、無店舗型性風俗特殊営業(第1号営業)に該当します(風営法第2条第7項第1号)。
これは実は、デリヘルとまったく同じ区分・同じ手続きです。店舗型のような立地の制限がなく、法定の書類を揃えて届出をすれば、10日後から営業を開始できます。新規開業を検討している方にとっては、こちらが現実的な選択肢になります。
4. 出張型メンズエステの届出|具体的な流れ
無店舗型性風俗特殊営業として届出をする場合の流れは、以下のとおりです。
届出先
営業の本拠となる事務所(事務所がない場合は住所)を管轄する公安委員会、実務上は最寄りの警察署生活安全課です(風営法第31条の2第1項)。お客様がいるエリアの警察署ではなく、あなた自身の事務所・住所を管轄する警察署である点に注意してください。
届出書を提出してから10日間は営業を開始できません(風営法施行規則第52条第2項)。「〇月1日から始めたい」という場合は、その10日前までに届出を済ませておく必要があります。
必要書類は住民票(本籍地記載)、身分証明書、事務所の使用権原疎明書類など多岐にわたります。詳しい書類一覧は別記事で詳しく解説する予定です。
書類収集・作成・提出代行をまるごとお任せいただければ、最短ルートで営業開始まで進められます。
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5. 届出をしないとどうなるか
性的サービスを伴うにもかかわらず届出をせずに営業した場合、風営法違反として罰則の対象になります。出張型(無店舗型性風俗特殊営業)の単純な無届営業に対する罰則は、6月以下の拘禁刑または100万円以下の罰金です(風営法第52条)。
マンションの一室に客を迎える「店舗」として性的サービスを提供する形態は、風営法上「店舗型性風俗特殊営業」に該当します。学校・病院等の周辺(禁止区域)でこれを無届で営業した場合の罰則は、2025年(令和7年)の法改正により5年以下の拘禁刑もしくは1,000万円以下の罰金(またはその両方)に引き上げられており(風営法第49条第5号・第6号)、法人には両罰規定により最大3億円以下の罰金が科されます(風営法第57条)。出張型の単純な無届(6月以下/100万円以下)とは重さが大きく異なるため、マンションでの開業・営業を検討している方は特に注意が必要です。詳しくは「メンズエステはマンションで開業・営業すると違法になる?」で解説しています。
「バレなければ大丈夫」「様子を見てから届出しよう」という考え方は避けるべきです。実際に、届出をしないまま営業していたことが発覚し、摘発に至るケースも報告されています。摘発される店舗に共通するパターンや、摘発を回避する方法については「メンズエステの摘発リスクが2025年に激変|罰金1,000万円・法人3億円への引き上げを行政書士が解説」で詳しく解説しています。
出張型として適法に届出をしても、集客の仕組みやサービス内容自体はマンション型とほとんど変わりません。無届のまま営業を続けるリスク(刑事罰・事業継続不能・信用の失墜)を考えると、届出にかかる費用は決して高い出費ではありません。届出は一度きりで59,800円(税込)+警察手数料実費です。切り替えをご検討の方は、ぜひご相談ください。
6. 自分で届出する vs 行政書士に依頼する
届出は法律上、事業者ご自身で行うことも可能です。ただし、
- 書類の不備による受理の遅れ
- 欠格事由の見落とし
- 営業スタイルの分類判断の誤り(特にマンション型からの切り替えの場合、現状の営業実態の整理を誤ると届出内容自体が実態と合わなくなるリスクがあります)
といったリスクを考えると、風営法を専門に扱う行政書士に依頼することで、これらのリスクを抑えながらスムーズに進められます。
ヒューマンアップ行政書士事務所が運営する、無店舗型性風俗特殊営業の届出代行専門窓口です。書類作成から提出代行まで、全国どの都道府県でも対応しています。
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7. よくある質問(FAQ)
Q. 性的サービスの有無はどう判断すればいいですか?
Q. 店舗型(マンション型)でも届出すれば営業できますか?
Q. 費用はいくらですか?
Q. デリヘルと手続きは違うのですか?
8. まとめ
- メンズエステが風営法の対象になるかどうかは、性的サービスの有無で決まります
- 性的サービスがない場合、風営法上の手続きは不要です
- 性的サービスがある場合、店舗型は新規開業が事実上困難な一方、出張型(無店舗型性風俗特殊営業)はデリヘルと同じ手続きで届出が可能です
- 出張型の単純な無届営業には6月以下の拘禁刑または100万円以下の罰金、マンション型など禁止区域での店舗型無届営業には5年以下の拘禁刑または1,000万円以下の罰金(法人は最大3億円)という、対象によって重さの異なる罰則があります
- 手続きの確実性を高めたい場合は、行政書士への依頼が有効です
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※ 本記事の内容は最新の法令に基づいて作成していますが、法令は改正される場合があります。最新情報は管轄の警察署または行政書士にご確認ください。

